社内調査委員会の調査結果について

8423 アクリーティブ

 2011年01月12日18時34分


平成 23 年1月 12 日
各位
千葉県市川市南八幡四丁目9番1号
株式会社フィデック
代表取締役社長

瀧口



(コード番号:8423 東証一部)
問い合わせ先

取締役 財務部長

菅原 猛

TEL 047-314-0650

社内調査委員会の調査結果について

平成 22 年4月 15 日付プレスリリース「社内調査委員会設置のお知らせ」にてお知らせ
いたしましたとおり、本年4月 15 日に経営陣が一新されたことを受けて設置された社内調
査委員会では、当社が多額の貸倒引当金を計上するに至った経緯について、当社の旧経営
陣による過去の経営判断の妥当性を検証し、開示内容の適正性を確認するべく、社内調査
を行ってまいりました。本日開催の取締役会において、社内調査委員会より、調査結果に
ついて報告がございましたので、下記のとおりお知らせいたします。


第1

多額の貸倒引当金を計上した主たる要因
当社は、第 10 期(平成 20 年4月 1 日~平成 21 年3月 31 日)及び第 11 期(平成 21

年4月1日~平成 22 年3月 31 日)に多額の貸倒引当金を計上しており、その主たる原
因は、多額の長期未収入金にあります。そして、長期未収入金の主たる相手先の内、㈲
ゼット・エル・エス(以下「ZLS」といいます。、㈲南苑(以下「南苑」といいます。、


㈲ロムルス・インベストメント(以下「ロムルス・インベストメント」といいます。、

㈲ゼット・エス・オー(以下「ZSO」といいます。
)及び㈲健商住宅開発(以下「健商
住宅開発」といいます。
)の5社に対する請負工事代金が不良債権化したことが主たる要
因になります。そして、これらの5社は、いずれも、㈱ゼクス(平成 22 年6月 15 日上
場廃止。以下「ゼクス」といいます。
)関連工事の発注業者になります。
したがいまして、社内調査は、ゼクス関連工事の請負代金債権の買い取りを行うに至
った経緯及び当該買い取りにあたり適切な与信管理が行われていたか、また、当該債権
に関する貸倒引当金の計上が適切に行われていたか、という点を中心として行ってまい
りました。

1

第2


旧経営陣による過去の経営判断の妥当性
結論
社内調査委員会としては、少なくとも、平成 19 年3月 29 日以降に、ゼクス関連工
事の請負代金債権の買い取りに関して、新たな与信を行ったという当社の旧経営陣の
経営判断は、妥当性を欠くものと考えられるという結論に至りました。



理由
社内調査委員会が上記の結論に至った理由は、概ね以下のとおりとなります。

(1)ゼクス関連工事の請負代金債権の買い取りが行われた経緯
ゼクスは、当社の「C.F ダイレクト」と称する債権買取業務に関する当社の創業時
からの提携先企業であり、徐々にゼクスが工事を発注していた請負業者による「C.F
ダイレクト」の利用が進み、当社のゼクスに対するゼクス関連工事の請負代金債権
の残高が伸びて行きました。
そうした状況の中、ゼクス側からの要望を受けて、平成 19 年3月 29 日、当社、
ゼクス、ゼット・ウェブ、オクトツリー並びにZLS、南苑、ロムルス・インベス
トメント及びZSO(以下、ZLS、南苑、ロムルス・インベストメント及びZS
Oの4社を「ゼクス発注SPC」といいます。
)を当事者とする債務引受契約が締結
されております(以下「本件債務引受契約」といいます。。本件債務引受契約は、

当社のゼクスに対する請負代金債権(債権残高合計 70 億 55 百万円)を当社のゼク
ス発注SPCに対する債権へと変更し、ゼクスがゼクス発注SPCの当社に対する
債務を連帯保証することを内容としたものになります。
本件債務引受契約の締結後も、当社の旧経営陣は、ゼクスが連帯保証をしている
ことを理由として、ゼクス発注SPC及び健商住宅開発(以下「ゼクス発注SPC
ら」といいます。
)を債務者とする請負代金債権を買い取り、ゼクス関連工事の請負
代金債権の残高を増加させました(平成 19 年9月末のゼクス発注SPCらを債務者
とするゼクス関連工事の請負代金債権の残高は、合計 122 億円となりました。。

なお、当社は、最終的に、ゼクス関連工事の請負代金債権(債権残高合計 85 億 2
百万円)を総額3億円にて売却せざるを得ない事態となった結果、債権残高の元本
部分だけでも合計 82 億 2 百万円が回収不能となりました。かかる多額の回収不能を
生じさせた原因として、当社の旧経営陣が本件債務引受契約の締結後もゼクス関連
工事の請負代金債権の残高を増加させ続けたことを挙げることができます。
(2)本件債務引受契約の締結後におけるゼクス関連工事の請負代金債権残高を増加さ
せたことに対する評価
社内調査委員会としては、以下に述べる諸般の事情等からして、本件債務引受契
約の締結後にゼクス関連工事の請負代金債権残高を増加させた、すなわち、新たに
与信を行ったという当社の旧経営陣の経営判断は、妥当性を欠くものと考えるに至

2

りました。
ⅰ)当社の旧経営陣は、次のとおり、ゼクス関連工事の請負代金債権の債務者である
ゼクス発注SPCらについて与信管理を行っていなかったこと


当社においては、
「C.F ダイレクト」による提携先企業(買取債権の債務者に該
当する企業をいいます。
)との取引にあたっては、提携先企業の与信管理を行うこ
ととされており、その社内手続規程が存在していたにもかかわらず、ゼクス発注
SPCらに対する請負代金債権の買い取りを行うに当たっては、その社内手続が
行われておらず、与信管理がなされた形跡も全く見当たりませんでした。



当社は、ゼクス発注SPCらから約定弁済日において請負代金の支払いを受け
ることができず、弁済日の延長が繰り返されていたにもかかわらず、当該ゼクス
発注SPCらに対する請負代金債権を買い取り続けていました。

ⅱ)連帯保証人であるゼクスには、遅くとも平成 19 年3月 29 日時点で、次のとおり、
信用不安を窺わせる重大な事象が生じていたにもかかわらず、当社の旧経営陣は、
ゼクスが連帯保証をしていることを理由として、ゼクス関連工事の請負代金債権を
買い取り続けたこと


ゼクスが、本件債務引受契約の締結を要望してきた理由は、それまでゼクスが
当社に対して負担していた請負代金債務をゼクスの簿外とし、ゼクスの財務諸表
上の負債額を減少させることにあったものと考えられます。



公表されていたゼクスの財務諸表によれば、ゼクス第 10 期(平成 18 年5月 31
日時点)においては当社に対する債務の記載が全くなく、ゼクス第9期(平成 17
年5月 31 日時点)においては当社に対する債務は 41 百万円と記載されていまし
たが、これらは、いずれも、当時、当社が認識していた当社のゼクスに対する債
権残高と異なるものでした。



平成 19 年3月 29 日以前に当社が買い取ったゼクスに対する請負代金債権につ
いて、ゼクスから約定弁済日において請負代金の支払いを受けることができず、
弁済日の延長が繰り返されていました。

ⅲ)当時、当社の旧経営陣は、連帯保証人であるゼクスについて、具体的な情報収集、
調査及び検討を行っていなかったこと
本件債務引受契約の締結や、同契約締結以降に新たな与信を行うことについて、
当社の取締役会に諮られたり、監査役に報告されたりしたという経緯は判明してい
ません。また、監査役がチェックをして監査役会で議論をし、代表取締役に意見を
求めたような事実も判明していません。
なお、当社の旧経営陣の内、ゼクス関連工事の請負代金債権の買い取りについて
直接関与し、
また、
状況を正確に認識していた者は、
深田剛氏
(当社旧代表取締役)

早崎努氏(当社旧取締役)及び平井亮子氏(当社旧取締役)の3名であると考えて
います。

3

第3


旧経営陣による過去の開示の適正性
結論
社内調査委員会としては、関係者の供述等を前提とする限り、ゼクス向け関連工事
の請負代金債権に関する貸倒引当金の計上の要否・程度等について、開示の適正性を
欠くと判断できるまでの事実を発見できなかったという結論に至りました。



理由
社内調査委員会が上記の結論に至った理由は、概ね以下のとおりとなります。

(1)当社は、ゼクス関連工事の請負代金債権に関し、次のとおり貸倒引当金の計上を行
いました。






貸倒引当金

第 10 期

第2四半期(平成 20 年9月 30 日時点) 112 億 33 百万円

33 億 11 百万円

第 10 期



期 (平成 21 年3月 31 日時点)

85 億 48 百万円

38 億 29 百万円

第 11 期

第2四半期(平成 21 年9月 30 日時点)

85 億 16 百万円

62 億 41 百万円

第 11 期



85 億 02 百万円

64 億 58 百万円

期 (平成 22 年3月 31 日時点)

(2)上記貸倒引当金の計上は、平成 20 年8月、ゼクスに「継続企業の前提に関する注記」
が付されたことに基因しています。
当社は、ゼクス関連工事の請負代金債権に関し、不動産担保権(根抵当権)を有し
ていましたが、ゼクスに「継続企業の前提に関する注記」が付されたことから、ゼク
ス関連工事の請負代金債権の取扱いについて、当時の当社監査法人トーマツに相談を
行っております。その結果、第 10 期第2四半期(平成 20 年9月 30 日時点)には、ゼ
クス関連工事の請負代金債権の内、長期未収入金に該当するものについて、不動産担
保権により担保されない部分を貸倒引当金として計上することとなりました。
第 10 期通期(平成 21 年3月 31 日時点)以降は、ゼクス関連工事の請負代金債権を
全て長期未収入金とし、随時、不動産担保権により担保されない部分を貸倒引当金と
して計上してきた経緯を窺うことができました。
(3)当社は、ゼクス関連工事の請負代金債権に関する貸倒引当金の計上の要否・程度等
について、随時、当時の当社監査法人トーマツとの間で相談を行ったうえで決定して
いたとのことであり、トーマツに対して虚偽の説明を行ったり、トーマツの指示に従
わなかったような事実は見当たらず、関係者の供述等を前提とする限り、不適切な引
当金額調整を含め、開示の適正性を欠くと判断できるまでの事実を発見するには至り
ませんでした。

4

第4

再発防止策(与信管理体制について)
当社は、適正な与信管理を徹底し、上記のような妥当性を欠く経営判断が再びなさ
れることを防止するために、現在、次のような与信管理体制等を構築しております。

(1)経営陣の一新
当社は、平成 22 年4月 15 日開催された臨時株主総会において、全取締役及び監査
役が一新し、旧経営陣による影響力から完全に決別しており、上場企業として相応し
いガバナンス体制を再構築することを至上課題としております。
(2)監査役会及び監査役の機能強化
平成 22 年4月 15 日以降、常勤監査役は、会社の重要な会議に出席するとともに、
内部監査室と緊密な連携を保ち、迅速に情報を入手して、その情報に基づき毎月の監
査役会で報告・討議を行っております。
このように、平成 22 年4月 15 日以降、監査役会及び監査役は、取締役を監査する
に充分な情報が事前に伝達される体制を敷くことにより、その機能強化を図っており
ます。
(3)取締役会の活性化・機能強化
平成 22 年4月 15 日以降、旧経営陣による影響力から完全に決別し、取締役会に付
議すべき重要な事項(業務執行)については取締役会にて適正に協議し決議すること
により、取締役会の活性化・機能強化を図っております。
(4)当社与信管理手続の徹底
当社においては、
「C.F ダイレクト」による提携先企業との取引にあたっては、提携
先企業の与信管理を行うこととされており、その社内手続規程が存在しております。
前述のとおり、ゼクス関連工事の請負代金債権の買い取りに関しては、かかる社内手
続が履行されていませんでしたが、平成 22 年4月 15 日以降は、そのような特別扱い
は一切認めておらず、当社与信管理手続の徹底遵守を行っております。
(5)与信管理体制の強化
平成 22 年4月 15 日以降、提携先企業の与信管理にあたっては、従来は当社が収集
した情報に基づいてのみ行っていた分析を、信頼できる第三者の社外データを活用し
た分析に切り替えること等により、提携先企業に関する丁寧な情報収集及び与信分析
を行い、与信管理体制の強化を図っております。
また、平成 22 年 10 月度以降は、毎月1回開催される与信会議に常勤監査役が出席
し、透明性を欠く与信限度額の設定を未然に防ぐための体制を整えております。
なお、今般のゼクス関連工事の請負代金債権の貸倒引当金は全て計上済のため、平成 22
年 11 月 12 日に発表いたしました平成 23 年3月期の通期連結業績予想に変更はありません。
以上

5


Origin: 社内調査委員会の調査結果について

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